2013年8月5日月曜日


アレ〜。気がつくと前回から早二ヶ月以上経ってしまったわけでして…。

しかし暑い日が続きましたね〜。もう八月に入ったと言う事は、後二週間もすれば夕暮れ時にふと、秋の匂いがする風が吹くのでしょうか…。

速いです。ほんと、時間の過ぎ行くのが速すぎます。

(今年中には何とか新居に引っ越しするぞ!)と意気込んでいましたが、こんなペースだと大丈夫かな?とほとんどあきらめムードです…。

でもとにかく、ちょっとは進展しましたのでこの二ヶ月の工程をかいつまんでご報告します。

玄関部分から室内に入るところの引き戸が取り付く開口部
半壁を作りました。この木の格子に例によって泥を塗って行きます。
ヨメが下ごしらえ中。

いつのまにやら小学五年になってしまった娘のミドちゃんが
工場に来ているときは暇つぶしに家造りのお手伝いをさせています。
麻の紐を適当に切って結んで適当にほぐしたものを作っています。
これは散りトンボ、あるいは下げ苧というモノ。
土壁が柱や開口部と接している部分をはがれにくく補強する為のものです。
これがほぼ出来上がりです。あまりにも簡単ですが、ざっと計算して二百カ所くらい必要なのです。

わいまつ大棟梁もときどき土壁の中塗りの手伝いに来てくれます。
非常に助かります。

以前から気になっていた木製サッシですが、ひょんな事から金具一式を
なんとか手に入れる事が出来ました。
(これがなかなか、何処で手に入るのか全く分からなかったのですが、
念じていれば向こうからやってくるものなのですね)

とりあえず修理用として売っているものを使うので、詳しい仕様書はありません。
メーカーのウエブサイトから断面図を拾って来てヒントを掴みます。
上の写真は原寸モデルを作って、現物の金具をいろいろと考えながら
取り付け位置を割り出しているところです。

初めは全然分からなかったのですが、さわっているうちにデザイナーの
意図がだんだんと分かるようになってくるのが不思議です。A〜ha!


さて、これが本物の窓枠モールディングです。もちろん自作で
材はヒノキを使いました。
いつもの額縁等を作るときの要領で留め接着の締具はPPテープです。

窓内部と練り付けします。


天窓の仮組です。これは外側に上向きにせり出す、オーニングと言う奴です。

内側の下部に取り付けたハンドルをくるくる回すと
窓がせり出してくる仕組みです。このシステムにすると
内側に網戸を設置したまま、窓の開け閉めが出来るのが良いところです。

外部から雨水や風が家の中に入らない様にシーリング材が必要です。
これも悩みましたが、ウエブで色々と検索するうち、ピンチブロック
と言う国産の製品があるのを発見しました。

いろんな形がありますが、作ろうとしている窓にピッタリのがありました。
ゴムで出来た中空のかまぼこ型パイプで、両面テープが貼ってあります。
気になるお値段ですが、思ったより高いです。
いよいよ取り付けです!

窓枠と下地の枠との隙間にクサビを打ち込んで調整しながら、マウントします。

これは西側妻手の窓です。


今回は計四カ所の窓を取り付けました。
まだまだ開口部分は残っていますが、もうすぐ始まる予定の展示会が刻々と迫っているのでタイムアウトです。(伊勢丹新宿店5Fで8/21~26,ヨロシク!)

本業の方もおかげさまで予定が詰まりだしています。働ける時間も限界があり、いくらブラック自営業を自認していても、なかなか家造りと両立するのは大変です。
何とか前に進めたいのですが…。




2013年5月30日木曜日

土壁中塗り


さて,GWもとうにに過ぎ去った今日この頃ですが、もうすでに梅雨入りしているとか。
この間まで、寒いさむいと言ってはストーブを使っていたのですがね〜。

もうすぐですが、また個展を開催予定です。今、その準備と製作に追われております。

今回は山梨県の甲斐大泉にある「八ヶ岳倶楽部」という、ギャラリーやレストラン等がある、森の中の素敵な観光施設です。(期間は6/7~13です。当方サイト参照

その製作の合間では有りますが、自宅建築の方も少しは進んでいるのです。

まず、二階の子供部屋に木製サッシを取り付けました。
このサッシは思えば二年程前になりますが、陶芸家の友人、酒井隆夫氏のお宅を訪ねた時に思いがけずGETしたものなのです。

酒井さんもセルフビルド派で、何年もかかってログハウスをコツコツと自分で建てたというので、見学に行った時の事。

建築の苦労話等をしているうち

「そういえばこのキッチンとの間仕切りの窓、取り付けたものの熱気がこもって暑いんだよねー、これ良かったらあげようか?」

と、話が急展開してすぐに取り外すことになったのです。

「この窓が法嶋くんの新しい家に嵌まっているなんて、愉快じゃないか!」

江戸っ子らしい気風の良さで、二重ガラスの木製サッシ一式をプレゼントして頂きました。

それから二年程あっという間に経ってしまいましたが、土壁の中塗りをそろそろ始める段取りになったので、とりあえず先に建具だけは取り付けておく事に…。

無塗装の様だったので、プレポリマー塗装をしました。
担当は仁和子専従者です。

窓枠の取り付けです。外側の壁面仕上がり予定位置より15mmくらい外に出しています。

久しぶりに二階の足場での作業。
慣れたとはいえ、危ないです。

サッシもめでたくマウントされたので、いよいよ土壁の中塗りに取りかかります。

例によって技術指導ならびにミキサー等の機械、ボランティアスタッフの手配、等々は全て工房わいまつの全面的バックアップによります。本当に鬼のようにビューティフルな御仁です。


工房わいまつ提供のミキサーです。
パン捏ね機に似ています。


去年塗った荒壁の土が結構残っているので、これに川砂と中塗用の細かい藁スサを混ぜて中塗り土を作ることにしました。

これはミキサーで少しずつ様子を見ながら各材料を混ぜて行きます。
わいまつ氏もこの割合については、はっきりとした数字では表せない様です。
もうちょいかな〜?とか言いながら、混ぜ合わせてベストコンディションを探っています。
お好み焼きのタネを作っている感じとでも申しましょうか…。
一冬越した荒壁土を練り直すのに裸足でがんばっているのはツナ君と
たまたまやって来たので、参加する羽目になった写真家の根津さん。
玄人はだしです。

今回の助っ人の紅一点、藤井もえちゃんです。
現在は子育て主婦業ですが、本職の左官職人だったのです。
荒壁塗りも手伝って頂きましたが、やはりコテさばきが素晴らしい。
色々とコツを伝授して頂きました。




大工メンバー達には先ず、外側の塗りをお願いしました。
特にケラバのてっぺんは危ないですからね。
僕もケラバの一部分を塗りましたが、足場に手すりがないので最高にスリリングです。
後からやって来たもえちゃんの旦那、藤井さんが
壁土を二階に上げる手伝いをしてくれました。
やっぱり壁塗りはおもしろいですわ。なんでかね〜?

2013年4月7日日曜日

再稼働開始!

おひさしぶりです!

こんな書き出しも過去にイヤと言う程繰り返していますが、またやってしまいました。
思えば、前回の壁塗りからもう早五ヶ月程になりますが、その間の家造りに関する事一切はストップしたままです。

もちろん厳しい冬に突入して、土壁の泥も凍結するので出来なかったと言うのもあります。が、それ以外の仕事、例えば建具入れ、床張り、等々急ぎの仕事はたくさんあるのですが、全くの手付かずで…。

これは本業の家具製作の方がおかげさまで忙しく、それどころじゃ無い!といった理由に加えて、建築資金の方も厳しい冬の間に凍結乾燥してどこかに消えて行ってしまった為です。

そしてこのところ、ようやく春が訪れて土壁気分が盛り上がって来たので、長い間ブルーシートに包まれて冬眠していた荒土を叩き起こす作業を始めました。

冬の間にすっかりフリーズドライ状態になり、表面はネトネトした感じが
無くなり硬くなっています。棒でこねくり回しています。

最初のうちは以前のように長靴で踏みつけて練っていたのですが、一旦泥んこに捕まってしまうと抜き差しならない状態になってしまいます。
これで無理矢理引っこ抜いたら案の定、長靴がアッパーの所でパックリとちぎれてしまいました。
そんなわけで作戦変更して棒でつつきながら水をつついた穴に投入して練り込むことにしました。

時間はかかりますが、しばらく毎日繰り返しているうち使える泥になると思います。

こんな感じで冬の間に運動不足になっている嫁はんにも健康メニューをプレゼントします。
長靴は廃止して田植え用のゴム足袋を購入。
今のところ調子良く行っております。

中の方の土は灰色で発酵臭がしていますが表面はほとんど乾燥して赤土に戻っています。
これを全部練り合わせるのは一苦労ですね。

泥んこ遊びしたい人、是非お立ち寄りくださいな〜。

2012年12月1日土曜日

土壁塗りその後

おっと!もうすでに11月も終わりになりつつあります。

しかし、時の経つのは本当に速いですねー。もう年の瀬になっているとは。
相変わらずこんな様な事を書いているとジジくさく思われるでしょうが、事実だから仕方が無いですわ。居直らせて頂きます!

そんなわけで、11/5から始まった土壁塗り作業、その後約一週間の事を適当にかいつまんでお知らせしたいと思います。

さて、二日間の土壁塗りまつりが終わった後は、我々家族だけで残りを
仕上げることになります。取り敢えずは土に水や藁を入れてひたすら
足で踏んづけて練り上げる作業です。
みんなでワイワイと作業していた時と同じ事をやっているはずなのですが、何だか寂しいんですね〜。

♪近頃、なんだか、寂しいんだ〜  

と、内田裕也が若い頃、今よりももっとずっと若い頃、ビートルズのHELP!を日本語で歌っていたのを思い出しながらの地味な作業です。

(YouTubeで確認してみたら、UPされていました!歌詞は僕の思い違いでしたが…http://www.youtube.com/watch?v=5-_t15esm68 )

みんなでやっていた時は土の采配に明け暮れていましたが、
静寂の空間でじっくりと壁塗りに取り組んでおります。
初日に塗ったばかりの外壁がだいぶ乾いて来ています
いい感じでクラックが入り始めています。このひび割れの隙間に
その後に塗る中塗り土が食い込んで、強い壁になるのです。
二階から見た土こね作業中の仁和子
夫婦ふたりで作業を続けていると学校から帰ったミドちゃんが静まり返った現場を見て

「なんか、悲しい…」


そんな感じで寂しく二三日作業していましたところ、ふらりと陶芸家のあずうちゃんが手伝いに現れました。
一人でも助っ人が入るとずいぶんはかどります。
みんなで始めてから、約一週間で全ての壁を塗り終えました。
そしてやっと終わったか…と思ったのもつかの間、いろんな所にへばりついた泥の掃除が。

コンクリートスラブにも泥が一面にこびりついてしまい、
まるで三和土の様になっていました。

ボタッと落ちた泥の固まりは又使えるので回収します。
トイレの壁の中には電線がいっぱいでです。
この裏側に配電盤が取り付く予定。
掃除までいれると約10日かかりました。
正直言って、本当につかれました。

今は本業の家具製作に復帰しており、自宅建設の方はしばらくストップしたままです。


2012年11月21日水曜日

さて、土壁塗り大会の二日目です。

初日は素晴らしくよい天気だったのですが、予報どおりこの日は朝から小雨が…。

渋々現場に着いてみると、ボランティアメンバーの数もぐっと少なくなり、ツナ君とムク君、ほどなくしてあづうちゃんがやって来たあたりで雨も本降りになってきました!

しかたがないので、腐った材木とブルーシートで即席タープを作り、その下での土こね作業に取りかかりましたが、

(こんな雨だと、みんな来てくれないのかもな…)

昨日の楽しかった思い出が走馬灯のように思い出されながらも、シミジミと作業を続けて行く内、だんだんとメンバーも増えてきました。
ブルーシートのタープ。時々突風が吹いて来て倒れたりしましたが。
泰阜村からは宮島さん、彼は三年程前に自宅を徹底した伝統工法でセルフビルドしました。もちろん土壁です。

初日も来てくれた高木さん、わいまつ大棟梁。

中川村の藤井さん、彼の本職はどうやら大工さんのようですが、冬場は村の地酒「今錦」の杜氏に変身します。

その藤井さんの奥さん、もえちゃん。この方は現在は主婦ですが、元左官職人です。上手いです。頼りになります。

駒ケ根からは夏秋さん、彼は鍵盤ハーモニカ奏者でプロミュージシャンです。楽器を持ってスタンディングで弾くのですが、両手を使って(つまり左手は逆側から押さえる)循環呼吸法で延々と吹くことができるという、ユニークすぎる才人です。

はるばる長野市からは建築設計士の牧野さん、この女性は私の顧客様でもあります。

お昼までには以上のメンバーが現れ、天気も又奇跡的に回復してタープは必要なくなってしまいました。


「天は我々を見放していなかったか!!」


といった様な気分です。

滑車を使って土の入ったバケツを二階へ。藤井夫妻です。


ケラバの内側、梁の上に乗って頑張っているのは、陶芸家のあづうこと小林あづささん

私はもっぱら泥んこ奉行として土の中に君臨しておりました。

お昼を過ぎて間もなく、誰かが現れたなと思ったら、高森町から木下さんが助っ人に。
彼も土壁の家を作った経験者です。頼りになります。

木下さんと宮島さん。どちらも自分で塗った土壁の家に住んでいます。
うちのワイフも満を持して塗り始めました。
牧野さんも玄関の狭いスペースを黙々と塗っています。
ムク君はこんな炉端棒みたいな物で高いところにいる人たちに泥を配っています。

ツナ、ムクのコンビが泥まみれハイになっています。
では最後に藤井もえちゃんの華麗なるコテさばきをご覧頂きましょう。
勝手にUPしてゴメンネ!

二日目は内壁の二階すべてと一階の2/3 ?いや3/5もしくは6/11くらいできたと思います。

これで一応、大土壁塗り大会は終了して、残りは我々家族だけで塗ることになりました。
出来るだけ速く塗り終えてしまわないと凍結が心配です。
なかなか体を休めるわけには行きません。

2012年11月19日月曜日

土壁塗り

きょうはもう11/18になっております。

時の経つのは速いです。前回ブログで予告しておりましたように11/5,6とで土壁塗り大会を行ったのですが、塗り残した壁を家族だけで塗ったり、後片付けをしたりで、結局都合十日間くらいはかかってしまいました。
家族全員ヘトヘトになりました。

こんなにハードに働いた事は未だかつて無かったかもしれません。
(とは言っても、滅茶苦茶働いた時はいつもこんなことを言っている様な気がしますが)


では先ず、第一日目から…

娘のミドちゃんが自分の部屋の外壁を塗っています
私の家族はもちろんの事、工房わいまつの全面的ご協力によりあっという間にボランティアメンバーが揃いました。
どちらも平日だと言うのに皆様に快くご協力いただいて本当に助かりました。

初日のメンバーは、わいまつ大棟梁とその一味ツナ君、伊那からは石のアーティスト、シンペイさんとその弟子マキちゃん、大鹿村からは赤ちゃんをおんぶした香糸ちゃんとシゲさん、商売敵にして良き隣人の高木さん、アフリカンドラムのサブニュマ軍団からはムク君、そして松川町からは陶芸家のあづうさんです。

作業工程としては、まず泥コンに水を適量加えて、ちょうど良い柔らかさになるまでひたすら練ります。
加えて、以前隣家の土蔵を修理した時に出た荒土を頂いていたので、この土もミックスします。これは中塗り土や漆喰等の層もごちゃ混ぜになっているのであまり粘り気が無く、二対一くらいで少なめに混ぜ、室内側に塗ることにしました。

土を練る作業は長靴を履いてひたすら踏みつけ、水を加えては踏みつけ、
藁を加えては踏みつけ…、果てしない作業ですが、
だんだんと意地になってやめられなくなります。
当初は気候的にだいぶ寒くなったので、もう外壁に塗るのは来年の春にして、今回は内側だけにしようか?と本当に寸前まで考えていたのですが、何かの啓示か外も一気に全部やってしまおうと言うことになりました。

結果的にはこの週から奇跡的に気温が又上昇してしばらく温かい日々が続いたので大正解でした。

そんなわけで、少しでも速く乾かした方が良いと判断して、外壁を最初に塗りました。

外壁は大壁と言う、柱の表面も塗ってしまうやり方です。このとき問題は
各コーナーのところで割れた時に剥離しやすいと言う事です。
それを避けるため縄編み等をタッカーで打ち付けて、その上から一緒に土を塗り込めます。

赤ちゃんも背中で応援しています。そう言えば昔のカントリースターで
バック・オ−ウェンスと言う人がいましたね。
高所は土を配る人と塗る人のタッグで作業した方が別々に
作業するよりずいぶん速く出来ると思います。
昼食は二種類のカレー。こんな時の定番です。
力仕事の後にみんなで食べるメシは最高に美味いです!
ミドちゃんが撮った動画をupしてみました。
ぬかるみの世界をお楽しみください。


一日目の最後はわいまつ氏のピースサインできまり。
一日目は二階の全ての外壁と二階の内壁三分の一くらい塗ることができました。
天気も良く、熱くも無く寒くも無くでいい感じに作業する事ができました。
Thanks God.